構造設計ってなにをやるの?
どんな仕事なの?
この記事では、こういった質問にお答えします。
「構造設計という名前は聞いたことあるけど、実際の仕事はどんな内容なんだろう?」
筆者が色々な現場で働いた経験を踏まえて詳しく解説していきたいと思います。
どうも拙者丸でござる!
今回は構造設計が何なのかを学ぶでござる!
構造設計とは
建築物の設計は大きく分けると3つに分かれます。
- 意匠設計
- 設備設計
- 構造設計
意匠設計は建物のデザイン。
設備設計は建物の設備。
そして、構造設計は建物の骨組みの設計を行います。
建築設計についての詳細はコチラの記事をご覧ください。
骨組みとはどんなものでござるか?
建物の骨組みとは
では、建物の骨組みとは一体どのような物なのか説明していきましょう。
建物の骨組みとは、地震などに対して崩れてしまわないよう建物の重量や荷重を支える部分の事をいいます。
例えば以下のようなものがあります
- 柱
- 梁
- 基礎
- 壁・床
柱は屋根や床などを支える縦方向の部材で、梁は横方向の部材です。
そして基礎は、地面と建物の間にあるコンクリート部分の事です。
壁や床は皆さんご存じだと思いますが、これらも建物の荷重を支える骨組みの一部なのです。
構造設計者はこれらの骨組みの本数や太さや形を構造計算を行い決定していくのです。
実際どんな作業をするのでござるか?
構造設計の仕事内容
では具体的にはどのような仕事なのか簡単にご紹介します。
まずは構造計画です。
構造計画とは柱や梁などの骨組みをどのように配置するかを検討します。
構造計画は意匠との取り合いが非常に重要です。
デザインを損なわないように、かつ強度も持たせるという調整が難しい作業になります。
次は構造計算です。
骨組みの配置が決まると次は構造計算です。
構造計算では、地震が起きた場合、風が吹いた場合、雪が積もった場合等いろいろな条件を想定して計算を行っていきます。
例えば駐車場であれば、何台車を止めるのか重量を想定して計算をしていきます。
これらの計算により、柱や梁の太さが決まってくるわけです。
最後は構造図の作成です。
最後に構造計画と構造計算で決まった結果を図面に反映していきます。
構造図は基礎、各階伏せ図、軸組図、詳細図、部材リストなどの図面で構成され、各部材の寸法がミリ単位で細かく記載されています。
この構造図を元に、施工会社が工事をしていくことになります。
大まかな仕事の流れについてはコチラの記事をご覧ください。
やりがい
構造設計のやりがいは、やはり人の命を守るという点ではないでしょうか。
完成した建物を見た時に注目されずらい、どちらかと言えば裏方の仕事なイメージです。
ですが、建築設計の中で一番責任が必要とされる「人の命に関わる」大変重要な仕事になります。
建物を利用する人々に安全を届ける事ができる、やりがいのある職業と言えます。
とても重要なお仕事なのはわかったでござる。
構造設計の仕事に就くには
どうすれば構造設計の仕事に就くことが出来るの?
構造設計の仕事に就く場合は特に必要な資格はありません。
意匠設計や設備設計と同じく応募さえあれば働ける職業です。
ですがやはり、建築系の学科のある大学や、専門学校で学んだ後に建築事務所などの現場で経験を積むという流れがベストかと思います。
資格は必ずしも必要ではありませんが、資格を保有していなければ任せてもらえない役割があります。
しかし、建築業界は慢性的に人手不足な業界ですので、就職には困らないと考えております。
やる気さえあれば資格の保有に関わらず飛び込んでみることをお勧めします。そして、就職した後に実務経験を積みながら資格取得を目指すのが良いでしょう。
必要な資格と能力について、例えば次のようなものがあります。
必要な資格と能力
・一級建築士
・構造設計一級建築士
まずは一級建築士を取得することをお勧めします。
構造一級建築士は一級建築士よりも、さらに設計に携われる建物の幅が広がります。ですが難易度が高いので、まずは一級建築士から。
その他の資格についてはコチラをご覧ください。
・パソコンを使える
・Word、Excelで諸官庁提出書類や、打合せ資料を作成
・PowerPointでプレゼン資料の作成
・CADで図面を作成
・コミュニケーション能力
ほとんどの仕事をパソコンで行います。
Word、Excel、PowerPointは使えたほうがもちろんよいでしょう。
CADに関しては、設計事務所によって導入しているCADが違います。
CADの操作はすぐに覚えられると思いますので、概念さえ把握しておけばよいでしょう。
そして、人との関りがとても多いので最低限のコミュニケーション能力は必要となります。
拙者はアニメの知識だったら誰にも負けないでござるよ!
給与について
設備設計に携わる人の年収はおよそ250万~900万程度が相場です。
その中でも図面を描く専門のCADオペレーターの年収は比較的低めといって良いでしょう。
やはり建築設備士や設備設計一級建築士のような資格取得も大変で、責任のある立場ほど年収は高くなります。
少しでも年収UPを目指したいのであれば、資格を取得することをオススメ致します。
まとめ
よく、発展途上国などで建物が崩れたりしているニュースを見ることがあります。
建物の見た目がどれだけ美しくても、地震などに脆弱であればその建物の価値はゼロ以下です。
過去に日本でも耐震偽装など話題になり、法改正が行われた過去もあります。
むしろそうやって自然災害や事件が起こるたびに建物を建てるうえでの条件は厳しくなっていく一方で、設計難易度は上がっているのが現状です。
だからこそ、人の命を扱うスペシャリストが必要な職業と言えるでしょう。
そして、意匠設計や設備設計と同じく、まだまだこの分野は自動化できるレベルには達していません。
構造設計はきつい仕事ではありますが、人の命を守る仕事という面でやりがいは十分にあるでしょう。