木造建築士だと何ができるの?
一級・二級建築士と何が違うの?
このような質問にお答えします。
- 木造建築士ってなに?
- 一級・二級建築士と何が違うの?
- 受験資格は?試験は難しい?
- 年収はどれくらい?
一級建築士と二級建築士についてはコチラの記事をご覧ください。
木造建築士とは
建物の設計や工事監理を行う建築士には、下記の3種類が存在します。
- 一級建築士・・・制限なく全ての建築物についての設計・監理ができる
- 二級建築士・・・小規模な建築物についての設計・監理ができる
- 木造建築士・・・より小規模な木造についての設計・監理ができる
建築士でなければ、ある一定以上の規模の建物に関しては設計・監理を行ってはいけません。
そして、木造建築士は一級・二級建築士に比べて関われる業務範囲に制限があります。
イメージとしては、木造の戸建て住宅が対象です。
下記が木造建築士の設計・監理ができる範囲となります。
- 延べ面積が300㎡以下
- 階数が2階以下
- 高さが13m以下又は軒の高さが9m以下
- 木造であること
建築士の仕事内容について気になる方はこちらをご覧ください。
では、その木造建築士はどうすれば取得できるのでしょうか。
拙者にも受験資格はあるでござるか?
木造建築士の受験資格
受験資格は以下のようになります。
- 大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、職業訓練校等において、指定科目を修めて卒業した者
- 建築設備士
- その他都道府県知事が特に認める者は所定の年数以上
- 建築に関する学歴なしの場合は7年以上の実務経験
令和2年3月より建築士法が改正されたため、これまで必要であった実務経験が不要となり、指定学科を修めて高校、中学を卒業すれば、すぐに二級建築士を受験できるようになりました。
ただし、受験資格で実務経験を問わなくなった代わりに、免許登録要件として必要になります。
つまりは試験を先に受験しておき、その後に実務経験を積んだ後に免許登録という事が可能となります。
そして免許登録時に必要な実務経験も高校、中学を卒業した場合は「3年以上から2年以上」に短縮されました。
ただし、大学、短大、専門学校等の指定科目を卒業した場合に関しては今まで通り実務経験なしで受験可能なため特に変更はありません。
う~む・・・。
試験がとても難しそうでござる。
合格率や難易度は?
木造建築士の合格率は、学科試験で54%~61%、製図試験で50~76%、総合で27%~40%となっています。(平成27年~令和元年のデータ)
二級建築士の1.3倍~1.6倍程度の合格率ではありますが、それなりに難易度の高い試験と言っていいでしょう。
二級建築士より難易度は低いとは言え、二級建築士と共通する内容も多いことや、木材などの大工の専門知識が求められる部分もありますのできちんとした対策は必要になります。
とは言え、指定科目を修め実務経験を積めば十分合格狙える試験です。
建築事務所などで働きながら知識を蓄え、資格取得を目指すとよいでしょう。
いやらしい話どれぐらいお金を貰えるでござるか?
年収
木造建築士の年収は300万~400万円が相場と言われています。
やはり建築士の中では低めと言える立ち位置でしょう。
その理由としてはやはり取得難易度が一番低いことや、携われる業務の範囲が狭いことがあげられるでしょう。
大半の方がステップアップして2級→1級と取得したい方が多いでしょうから、それを目指して頑張ることで年収UPにつながるかと思います。
まとめ
以上、木造建築士の解説でしたがいかがでしょう。
木造建築士は”木造”のスペシャリストのような名前は付いていますが、木造に特化した木造建築士だけしか出来ない業務範囲があるわけはなく、正直3級建築士のような位置づけになっています。
昔ながらのお寺や神社などは木造だから重宝されると言われたりしますが、そこも300㎡という面積の制限がネックになってきますし、1級・2級を持っていれば更に優遇されるのは間違いありません。
一級・二級と比べると携われる業務の範囲が狭いので、ハッキリとした目的のある方には必要な資格でしょうが、受験資格も2級と同じなので2級取得を目指すのが理想と感じます。
収入面においても1級・2級を保有していたほうが有利に働くのは間違いないでしょう。
時間と余裕があるのであれば二級取得を目指して、その後は働きながら勉強し、一級を目指してみるのが理想かもしれませんね。
木造建築士取得を目指してやる気満々な方にはやる気を削ぐようなまとめになってしまい申し訳ありません。正直に書き過ぎました・・・。
ですが、難易度が低いからと言って逃げるのではなく、まずは二級にチャレンジしてみて欲しいと思います。
二級建築士について気になる方はこちらの記事がおすすめです。